離婚BLOG

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2022.03.31更新

令和4年3月25日、東京地裁で、親権を持つ父親から二人の子供を連れて別居したのは違法だとして、母親である元妻と助言をした弁護士に、損害賠償を命じる判決が下されました(朝日新聞DIGITAL3.30)。

本件は、家裁ではなく地裁であり、上級審で維持されるかは不明ですが、家裁においても、親権者が決まっている場合には、よほどの事情の立証がない限り、親権者の地位は保護されています。

従って、同事件の元妻側が主張している通り、仮に父親から子供等に対する精神的虐待があった等の場合に、弁護士が検討すべき救済策としては、家庭裁判所に子の親権者変更の申立てをし、裁判所調査官による、子の環境や意思の調査を求めて、対応するのが常套手段です。

仮に緊急を要する場合には、児相に相談するのが適切です。

ここで、注意すべきは、夫婦間において、妻が、子供を連れて別居に至った場合とは事情が異なると言うことです。その場合には、親権は父母共にあり、一方的な親権侵害には該当せず、むしろ従来から主に監護してきた妻が子を連れて行くのは当然のことと評価され、先例もこれを連れ去りとして評価しないと明言しています。ただ、主に監護をしてこなかった父親が、子供を連れて別居する場合には、連れ去りと評価される場合が多く、その場合には、母親が、速やかに、家庭裁判所に子の監護者の指定及び引渡しを求めると、概ね、子の引渡しを命じる処分を受けることが出来ます。

夫婦間で、別居前に、離婚協議が進行している場合などは、混乱を避けるために、別居をする前に、子の監護者の指定を、裁判所に求める方法をとることも一つの方法です。

 

投稿者: 武末法律事務所

2022.01.29更新

オフィシャルホームページは https://takesue-law.com です

投稿者: 武末法律事務所

2022.01.29更新

人身保護請求による子の引渡し請求は、人身保護法を根拠法とする民事訴訟手続で、従来は良く使われていた手法ですが、最近では、家事事件手続法による子の引渡し調停または審判が活用され、人身保護請求は減っているようです。

それは、子の監護に関する判断は、元来、家庭裁判所でなすべき性質のものとして、法整備がなされてきたことによります。

ただ、家事事件においては、以前にも説明しましたが、仮処分は容易には認められませんので、不当な子の拘束という緊急性の高い状況に対し、子の保護を目的とする必要が高いと認められる場合に限り、活用する余地があります。

先例を検討すると、夫婦間と元夫婦間での取り扱いが大きく異なります。夫婦間の場合、双方親権を有していると言う前提で、よほど子の福祉に反すると言う証明をしない限り、子の幸福に反することが明白ではないと言う基準で、引渡し請求は認められません。

単なる環境の比較程度では認められず、仮処分が出ているのに従わない場合、著しく健康が損なわれる場合、義務教育を受けられない場合等の例外事情を証明する必要があります(以上最高裁第3小法廷平成5年(オ)第2108号人身保護法請求事件平成6年2月8日判決・最高裁第3小法廷平成6年(オ)第65号人身保護法請求事件平成6年4月26日判決等)。

これに反し、元夫婦間では、監護権者が定まっていますので、いずれからの引渡し請求も、非監護権者において、相手方の監護が子の福祉の観点から著しく不当という証明をしない限り、認められません(以上最高裁第1小法廷昭和56年(オ)第903号人身保護法請求事件昭和56年11月19日判決・最高裁第3小法廷平成10年(オ)第1850号人身保護法請求事件平成11年5月25日判決等)。

従って、子の引渡し請求は、緊急性が高い事情がありかつその証明が可能な場合には人身保護法に基づく手続きが向いており、そうでない場合には家事事件手続法による手続きが向いていると言うことが言えます。

 

 

投稿者: 武末法律事務所

2022.01.21更新

最高裁判所第1小法廷令和元年(許)第16号財産分与審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件令和2年8月6日決定において、明渡を命じることが出来るとの判断が示されました。

原原審の家裁と同じ結論ですが、原審の東京高等裁判所が、建物の明渡は、財産分与では出来ず、別途訴訟で為すべきであるとしたことに対し、法令違背の違法があるとしました。

根拠法条は、家事事件手続法154条2項4号ですが、原審においては、同法条の適用等の判断自体が示されていません。当職の経験では、たまに、高等裁判所は、家事事件の法令や先例を理解していないと思慮される場面に出くわします。

本件は、財産分与審判に関するものですが、離婚訴訟付帯処分においても人訴法32条2項に同様の規定がありますから、同じ解釈でよいと解されます。

平成23年に、民法を含む人事関係法規の改正が行われました。家事事件は、弁論主義の支配下になく、職権主義の支配下とはいえ、弁護士にも法令の解釈を促す責任があるというところです。

投稿者: 武末法律事務所

2021.11.04更新

婚姻費用や養育費の算定の基礎に、双方の収入があります。給与収入者は源泉徴収票や給与明細書により、自営業者は確定申告書等による所得証明により基礎が定められます。

給与収入者でも、不動産収入等の他の収入が存在する場合には、これを収入(所得)の基礎と出来るかという問題があります。

先例を見ると、特有財産から得た収入(アパート経営等)を、基礎としないとするもの(東京高等裁判所昭和57年7月26日決定)と、基礎とするもの(東京高等裁判所昭和42年5月23日決定・

東京高等裁判所平成28年9月14日決定)とがあります。

前者の理由は、同収入が同居中から共同生活の資とされていなかったからとされ、後者はこれを基礎としない理由はない、とされています。

そうすると、その判断が分かれる理由は、その収入が共同生活の資となっていたか否かということになります。

だとすると、その不動産収入が、共有財産であった場合には、どうなるかという問題があります。

それが、経費を上回って高額の所得を得ていた場合には、当然共同生活の資となっていたと判断されることになると思慮されます。

問題は、その所得が経費を上回る高額の場合、生活の資となっていたと判断されるが、その所得が給与収入を加えても赤字とされていた場合、その所得が基礎とされるべきか否かということです。

すなわち、その不動産が、自宅用ではなく、夫が投資の為に行っていたような場合、その不動産収入を経費が上回っていて給与収入よりも低額の所得とされていた場合、

離婚後の夫の資産形成に寄与する目的ということで、家賃収入やそのための経費は、共同生活の資や使途とはなっていたものとはいえないということで、経費削除前の給与収入を算定の基礎とすべきではないかという疑問が残ります。

先例の、積み重ねを待つことになります。

 

 

投稿者: 武末法律事務所

2021.08.27更新

前回、祖父母に依る子の監護権者指定申立の可否について、最高裁判所は、いかなる事情があろうとも出来ないと判断したことを紹介しました。

最高裁判所は、面会交流についても、同様の判断をしています(令和3年3月29日、最高裁判所第1小法廷)。

いずれも、民法第766条の子の監護に関する処分は父母が協議して決めるとされている法規の内容を根拠としています。

この結論は、父母とは折り合いが悪いが、祖父母とは生活できるという実体の元では、不合理であるという指摘が為され、立法で改正すべきと言われています。

最近、当職が、関与した事件で、父母の間で親権に争いがある中、親権者である母親が子を祖父母と養子縁組をなした事件があります。

発端は、子が児相送りになったことを受けて、父親が子の親権者変更を求めていた事案ですが、調査官報告や児相は父母共に監護権者にふさわしくないと判断していた事案です。

父親が、養子縁組無効を主張し、家裁がこれを認めて、無効という判決を下した事案で、母親から当職に相談がありました。

同家裁の判決は、二つの疑問が持たれましたので、控訴の依頼を受けて、現在係争中です。

問題の一つは、親権者でない父親に、養子縁組の無効を訴える当事者適格がないのではないかという点、

すなわち、第三者の提起する養子縁組無効の訴えは、養子縁組が無効であることによりその者が自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けないときは、

訴えの利益を欠くという最高裁判所第3小法廷昭和59年(オ)第236号養子縁組無効確認請求事件昭和63年3月1日判決に抵触する可能性があること。

問題の一つは、仮に養子縁組を無効として、祖父母(養祖父母)の親権を失わせれば、子は、児相が不適当と認めている父母のいずれかの監護のもとに強要されるか。

あるいは施設送りになることが想定されるが、それは決して子の福祉に添わないという実態です。

最高裁の、子の監護者は父母に限るという解釈を前提としても、養父母も父母に該当し、法規上養父母が除外されていなので、法解釈上も実体上も法の正義が全うされるものと考えています。

最高裁の判断がでましたら、この場で紹介していきたいと考えています。

投稿者: 武末法律事務所

2021.04.01更新

令和3年3月29日、最高裁判所第1小法廷は、祖父母に依る孫の監護者指定申立は出来ないとの判断を示しました。

その根拠は、偏に根拠法令の厳格な解釈によるものです。調停において、父母に依るによる協議によって祖父母に監護を委ねることは可能ですが、祖父母自体が、裁判所の審判を求めることが可能かどうか判例が別れていましたが、

最高裁判所はこれが出来ないという判断を下しました。

事件の事実関係においては、離婚後親権を有した母親が多忙で、祖母に監護を委ねていたが、再婚して子の養育を望んだところ、祖母はこれを受け入れず、なによりも子供も祖母との生活を望んだという事案で、家裁も高裁も祖母を監護者に指定していました。

子の監護に関する、最高裁の基本理念は、子の福祉であるが、あくまで、子の親権者である父母を前提とするという、根拠法条を厳格に適用したものとされています。今後、立法のレべルで、再検討されるべきものと考えられています。

(日本経済新聞参照)。

 

 

 

投稿者: 武末法律事務所

2021.03.29更新

離婚した相手が再婚し、再婚相手と子供が養子縁組をした場合、元の夫は、定められた養育費の支払い義務を免れるか、という問題がありました。

従来の高裁決定では、実親の扶養義務は消滅しない等とされたり(福岡高裁平成29年(ラ)第136号養育費減額審判に対する抗告事件決定)、消滅するという判断がされたり、各裁判所で判断が別れていました。

平成30年、最高裁判所は、養子縁組という事情変更により、定められた養育費の支払い義務は免除されるとの判断を示しました(最高裁第1小法廷平成30年(許)第4号養育費減額請求認容審判に対する即時抗告棄却決定に対する許可抗告事件)。

その後、東京家裁平成元年(家)第3672号等子の監護に関する処分(養育費減額)平成2年3月6日審判では、養育費のみならず学費等特別費用も免除される旨の判断がなされました。

なお、養子縁組のない、再婚のみでは、再婚相手の収入が、相手の収入増として、金額の見直しが為されるにとどまるものと思慮されます。

 

投稿者: 武末法律事務所

2019.06.10更新

親権や監護権に基づく子の引渡しを実効するための強制執行について、かっては、手続法が存在しないとか性質上なじまないとかの理由で、間接強制のみが認められ、直接強制は認めない傾向にありました。

近年は、民事執行法169条(動産執行)の類推適用により、直接執行を認める傾向に変わり、さらに国会において法律制定が検討されています。

そうした流れの中で、最高裁判所第3小法廷は、平成30年(許)第13号間接強制に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件同31年4月26日決定において、子が激しく抵抗して執行を妨げた事案で、直接強制のみならず間接強制も、権利濫用として認めないという決定を出しました。法律専門家によっては、例外的判決(決定)であると評するものもあります。子供の年齢が9歳であるのも、従来の基準(12歳くらい=中学生年齢)に比べ年少化したと評するものもあります。

しかし、最近の子供は、小学校高学年においては、既にしっかりとした考えや判断力を有しており、子供であると侮ることは正しくないと思います。従って、最近の先例は10歳という基準を用いるケースも増えていました。しかし、小学校低学年においても、子供によってはしっかりとした判断力を有している子もいます。また、合理的判断によるものではなくても、親密な親子の絆に基づく心情をも含めて、当職は、子供の意思を尊重すべきであると考えています。

この考え方を前提とすると、子の引渡は、親同士の関係ではなく、親と子の関係であると見るのが、本質的であるとの考えに至ります。従って、子が嫌がっているのに、親に対して強制執行をすることは、何の効果もないばかりか、子が執行を受ける親に気配りを強制されることになるので、まったく子の福祉に反する強制行動であるというべきことになります。言葉を変えると、監護親の義務は、相手の親に引き渡す義務ではなくて、引き渡しを妨げない義務に止まり、強制執行になじまないものというべきです。

従って、当職は、掲示の最高裁判所決定は、例外的な判決ではなく、本来あるべき、原則的な価値観を表したものと、理解しています。

投稿者: 武末法律事務所

2019.05.23更新

婚姻費用

夫婦の間には、相互に扶助義務があります。その形は、経済的扶助や生活補助的扶助など様々な要素があります。

 
仮に、夫婦が別居した場合、収入の多い方が少ない方に経済的扶助をする義務が生じます。子供を引き取った側にはその負担も考慮され、他方側においては生活補助的扶助が履行されない分減額されることになりますが、これらの紛争を速やかに解決するために、過去の統計をもとにした、子供の数と夫婦の経済的収入のみを基準とした算定基準によって、決められるようになっています。よほどの特別の事情が認められない限り、これを外れて決定されることはありません。なお、権利者が不貞行為による有責配偶者である場合、配偶者の生活費相当分は除外され子供の養育費部分に限定されるという判例が出て以来、これに従う例が増えています。

婚姻が終了すれば義務は生じません。養育費に変わります。

支払い義務の発生時期は、実務上、申立後というのが、多くの取り扱いですが(現在の福岡家庭裁判所の取り扱い、例外として、内容証明郵便で請求したことを証明したときはその時から、但しメールによる請求は認めていません)、大審院判例(大判明34.10.3・同37.7.18・同昭13.6.30)は請求時まで遡ってできるとされていたものであり、最高裁判所も、家庭裁判所が婚姻費用の分担額を決定するに当たり、過去に遡って、その額を形成決定することが許されない理由はない、としたものもあります(最高裁判所大法廷昭和37年(ク)第243号事件昭昭和40年6月30日判決)。
その支払い義務発生の具体的時期については、要扶養時から認められるという学説もありますが、実務上は、家裁の審判でも、要扶養時以後、請求時以後そして調停審判申立以後しか認めないもの等に分かれていました。
時効について、扶養債権を、定期給付債権として、請求可能な時から時効にかかるという考えもあり、5年以内という限定も考えられます(援用を条件とする)。

養育費

夫婦が離婚し、子供がいる場合に、子供を引き取った方に相手方が支払う義務を負うものですが、子供の権利であって、親の権利ではないので、親どうしで権利放棄しても、効力が認められません。
この金額の算出も、婚姻費用と同じような算定基準によって決められます。婚姻費用における夫婦間の扶助義務を免れる分、比較的安くなります。

状況の変化により、その増減を、家庭裁判所に申し立てることが出来ます。ただ、1、2年のような短いスパンでは、よほどのことがない限り、認められることが無いようですし、合理的理由がないのに、収入減の職場に変わった場合などは、この減額分を評価しないという先例もあります。

支払い義務の発生時期は、別居後からというのが、最高裁判所の判例です(最高裁判所第1小法廷平成7年(オ)第1933号離婚等請求事件平成9年4月10日判決)。これについても、時効の問題が議論されるところです。注意すべきは、判決や調停調書で決められていれば、消滅時効は10年ですが、協議書や公正証書で定めた場合ほ、消滅時効は5年です。

面会交流

夫婦が離婚し、子供の親権者が決められても、相手方には、子供と面会する権利があります。親の権利というより、子の福祉の為です。従って、DV歴等の子供の福祉に反するような状況があれば、認められないこともあります。また、子供が一定の年齢以上の場合、その意思が尊重されます。

裁判所で具体的な条件を定めた面会交流権が認められた場合、合理的な理由がなく、これを拒否した場合、間接強制により、その権利が確保されます。但し、条件が具体的に定められていない場合には、間接強制も認められません(最高裁判所第1小法廷平成25年(許)第48号間接強制に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件平成25年3月28日決定)。しかし、最近は直接強制を認める例も増えており、直接強制の手続きを定める法改正の動きもあります。もっとも、各強制は夫婦(ないし夫婦であったもの)の間の問題であり、一定の年齢以上の子供の場合には、親の意思や行動に関わらず、子供の意思が最優先されるので、親に対する強制の問題は起きません(最高裁判所第3小法廷平成30年(許)第13号間接強制に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件同31年4月26日決定)。

以上オフィシャルHPから引用

投稿者: 武末法律事務所

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