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2017.10.13更新

婚姻費用分担請求事件において、請求者に破綻原因としての不貞行為が認定される場合、相手方は、子供の養育費相当分に限って負担義務が認められ、請求者分の費用は負担する必要がない、というのが一般的な先例です(大阪高裁平成28.3.17決定は、原審の不貞行為とは認められないとの判断による審判を変更して、同旨の決定を下しています)。

なお、その根拠は信義則ないし権利濫用ですから、具体的な事情によって、請求者分の費用分担を認めている先例もあります(札幌高裁昭和50.6.30)。

これに対し、一度、婚姻費用の分担額が調停において定められた後で、相手方が、不貞の相手方との間に子が出来たとして、事情変更による婚姻費用の分担額の変更(減額)を申立てた事件で、原審(名古屋家裁)は、これを認めると不貞行為の助長・追認となるとの理由で申立を却下しましたが、抗告審(名古屋高裁)は、不貞の相手方との間の子の扶養を重視して、原則通り、婚費分担額の減額を認めました。夫婦間の倫理に基づく権利濫用は不貞の子であってもその福祉は保護されるべきという意味で高裁判断は妥当であると思慮されます。

投稿者: 武末法律事務所

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