離婚BLOG

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2017.04.04更新

離婚前に、父親が、子共を連れて、別居に至った場合に、母親が、仮の、子の監護者の指定と引き渡しを求めた事案で、審判前の保全処分を認めた東京家裁の平成28年4月7日審判を覆して、仮処分審判は原則として認められないという決定を、東京高裁が平成28年6月10日に出しました。

この傾向は、従来の先例において、認められてきたことですが、家裁が、容易に仮処分を認めたので、高裁において再確認されたものです。

母親から見れば、子の連れ去りが為されて1年位経ってからだと、現状優先の原則が働き、回復は困難となりますが、比較的速やかに(1~2カ月以内程度)、家庭裁判所に、子の監護者の指定と子の引渡の調停(審判)を求めれば、母親優先の原則の事情が存在する限り、現状優先の原則は働かないいので、通常の場合、慌てることはありません。

このような事案で、通常の場合ではないとして、保全処分が認められるのは、子の連れ去りが強奪やそれに準じたものである場合や虐待の可能性が見込まれる場合や急激な環境の変化により子の健康状態の悪化が見込まれる場合等に限られます(その場合には母親の連れ去りに対しても同じことです)。なぜならば、通常の場合、子の監護者を定める場合には、慎重な調査や審理を経て行われるべき微妙なものであることで、仮の審理には適さないものであることや、仮処分には強制執行力が与えられますので、その後の慎重な判断を待って為すべきことが、安易に実行されると、子に与える打撃が大きいためということです。

通常の親子関係のもとでの(虐待歴がある等の場合ではなく)、父親に依る子の連れ去りに対しては、母親は、速やかに子の監護者の指定と引き渡しを求める調停を起こせば、調査官調査が為され、その結果に従った調停ないし審判が為されますので、心配することはありません。

追記 最近、別居時に、子を父親が連れて行った子の母親から依頼され、子の引渡と監護者指定の調停申立を、福岡家庭裁判所久留米支部に提起したところ、第一回期日において、調停員や調査官(年配の男性)から、急ぐなら、なぜ保全処分や審判の申立をしなかったのかと批判的な意見を受けました。しかし、これらの発言は、前掲の先例の流れを理解していない、全く勉強不足によるものとしか理解できませんでした。その後裁判官が立ち合い、子の引渡は強制できませんので、そのまま審判手続きに移行する旨の指示が為されました。任意の引渡しか求められないという発言から、先例を理解されているのかなと思慮しましたが、調停委員や調査官が、堂々と誤った発言を為すことは、当事者に混乱を引き起こことになりますが、地方だからで済まされることではないと思います。

 

投稿者: 武末法律事務所

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